みんなに優しい歩車道境界ブロック(その1)
福岡市と共同で「視覚障害者と車椅子利用者の双方に配慮した歩車道境界ブロック」の開発に取り組みます。歩車道境界ブロックは、歩道と車道の境界を示すもので、縦幅20cm、横の長さ60cmほどのコンクリートブロックで、歩道と車道の境界に沿って帯状に設置されます。現在、車道横断部では、歩道と車道の高低差は2cmあります。一般的に使用されている歩車道境界ブロックは、この2cmの高低差がそのまま段差になっていて、車椅子利用者が車道から歩道に上がるときに大きな障害になっています。進入時に小さな前輪のキャスターに衝撃が加わるため、転倒の危険性もあります。車椅子を使う方々からは、どうにかこの段差をスムーズに上がれるようにならないか、という声が以前から多くありました。
一方で、この2cmの段差は、視覚障害者の方々が歩道と車道の境界を識別する重要な情報源になっています。白杖の先で触ったり、足で踏むことにより、段差があることを確認できます。この境界を識別できない場合、誤って歩道から車道に出てしまう可能性があり、命にかかわる大事故になる危険性があります。
こうした両者の大切なニーズに配慮して、いくつかの自治体を中心に新しい歩車道境界ブロックが開発されてきました。しかし、まだまだ充分にこの課題が解決されたとはいえません。今回、福岡市と共同で、福岡市の新しい標準型を開発できることになりました。当事者の皆さんの繊細な感覚を反映した、歩車道境界ブロックを創り出せたらと思います。
以下は、2cmの段差がある現在の一般的な歩車道境界の状況です。
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