みんなに優しい歩車道境界ブロック(その4)

「視覚障害者と車椅子利用者の双方に配慮した歩車道境界ブロック」の共同開発を福岡市と進めています。これまでの屋内試験、屋外実験を受けて、形状をブラッシュアップしました。視覚障害者の方々の識別性が最も高く、かつ、車椅子利用者の方々が上りやすいとおっしゃった「突起タイプ」を基に、勾配の折れ線と突起線を重ねた新しい形状に改善しました。勾配折れ線の位置をプロック中央線よりも歩道側に移動して、傾斜の勾配をより緩やかにしました。さあ、これでご満足いただける良いものが出来たかもしれない。通常型、前回最も評価が高かった型、そして今回のブラッシュアップした型を、屋外に試験実装して模擬的に交差点を再現しました。夏の日差しが照りつける暑いなか、今回も視覚障害者の方々、車椅子利用者の方々、双方にお越しいただき、体験いただきました。

ここで、またまた新発見がありました。車椅子利用者の方には、腕の力があまり強くない方もいらっしゃって、そういう方はブロックの中央に折れ線がある勾配は一気に上れても、より歩道側に折れ線を移動して、勾配が長くなったものは途中までしか上れませんでした。勾配の途中で止まってしまうと、また車道側に戻ってしまうので危ないとのことです。わずか5cmほどの勾配延長の違いですが、とても繊細な感覚に大変感銘をうけました。これは、まだまだここでは終われません!さらなるブラッシュアップが必要ですね。ありがたい新発見でした。

九州大学 らくちんラボ

(旧 九州大学キャンパスバリアフリー検討研究会) ~すべての人が区別なく生活できる共生社会を目指して~

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